<日露首脳会談>首相、北方領土交渉の進展に意欲

<日露首脳会談>首相、北方領土交渉の進展に意欲

2月18日12時34分配信 毎日新聞


 【ユジノサハリンスク大谷麻由美】麻生太郎首相は18日午前、ロシア・サハリン州ユジノサハリンスクでメドベージェフ大統領と会談した。メドベージェフ大統領は「両国の互恵的協力を拡大したい」と発言。麻生首相は「日露双方の関心事項の話を続けて行きたい」と述べて北方領土交渉の進展に意欲を示した。戦前、南部が日本領だったサハリンを日本の首相が訪問するのは戦後初めて。

 会談では北方四島の「ビザなし交流」中断問題も取り上げる見通し。両国の互恵関係を発展させるため、資源エネルギー開発での協力関係の拡大も確認し、両国の信頼関係醸成も図る。

 両首脳の会談は昨年11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席に合わせてペルー・リマで行って以来2度目。会談後、両首脳はサハリン南部のプリゴロドノエに向かい、日本企業も参加する石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」液化天然ガス(LNG)製造工場の稼働式典に参加する。

 会談で麻生首相は「ロシアはアジア太平洋地域の重要なパートナーだ」と語った。メドベージェフ大統領は「日露間の政治対話が積極的に行われていることを心から歓迎する。金融サミット、イタリアサミットでも必ず個別会談を行うつもりだ」とも述べた。

 北方四島の領土交渉でメドベージェフ大統領は昨年、麻生首相との初会談で「この問題の解決を次世代に委ねることは考えていない。首脳の善意と政治的意思があれば解決できる」と発言した。この日の会談で、首相はプーチン首相の早期訪日も改めて要請する見通し。

 両政府の懸案である「ビザなし交流」問題も協議。ビザなし交流は北方四島の元島民や人道支援目的などに限って身分証明書などで四島に渡航できる仕組みだが、ロシア政府は1月、国後島に渡航しようとした日本の支援団に「出入国カード」の記入・提出を要求。日本政府は「カード提出は北方四島をロシア領と認めることになる」と反発し、支援を中止している。


<日露首脳会談>北方領土返還、首相が新手法に言及

2月18日13時34分配信 毎日新聞


 【ユジノサハリンスク大谷麻由美】麻生太郎首相は18日午前、ロシア・サハリン州ユジノサハリンスクでメドベージェフ露大統領と会談した。会談後、麻生首相は記者団に、北方領土問題について「新たな、独創的で型にはまらないアプローチで、我々の世代で解決すべく、具体的な作業を加速しようということで一致した」と語った。四島返還について「4島の話は向こう(ロシア)が2、こっちが4ではまったく進展しない。日露間すべてに引っかかっている問題だ。政治が決断しなければいけない」とも述べた。また両首脳が、プーチン首相の5月の訪日でも合意したことを明らかにした。

 南部が戦前は日本領だったサハリンを日本の首相が訪問するのは戦後初めて。会談でメドベージェフ大統領は「両国の互恵的協力を拡大したい。日露間の政治対話が積極的に行われていることを心から歓迎する。金融サミット、イタリアサミットでも必ず個別会談を行うつもりだ」と発言。麻生首相は「ロシアはアジア太平洋地域の重要なパートナーだ。日露双方の関心事項の話を続けて行きたい」と述べた。

 両首脳の会談は昨年11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席に合わせてペルー・リマで行って以来2度目。会談後、両首脳はサハリン南部のプリゴロドノエに向かい、日本企業も参加する石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」液化天然ガス(LNG)製造工場の稼働式典に参加する。

 北方四島の領土交渉でメドベージェフ大統領は昨年、麻生首相との初会談で「この問題の解決を次世代に委ねることは考えていない。首脳の善意と政治的意思があれば解決できる」と発言していた。 両首脳は両政府の懸案である「ビザなし交流」問題も協議。ビザなし交流は北方四島の元島民や人道支援目的などに限って身分証明書などで四島に渡航できる仕組みだが、ロシア政府は1月、国後島に渡航しようとした日本の支援団に「出入国カード」の記入・提出を要求。日本政府は「カード提出は北方四島をロシア領と認めることになる」と反発し、支援を中止している。

*日露首脳「独創的に」領土解決 戦後初 首相がサハリン訪問 [#od336a58]
2月18日16時25分配信 産経新聞


 【ユジノサハリンスク=田中靖人】麻生太郎首相は18日午前、サハリン(樺太)南部のユジノサハリンスク市内でロシアのメドベージェフ大統領と会談した。首相は会談後、記者団に対し、北方領土問題について「われわれの世代で解決するために、新たな独創的で型にはまらないアプローチを具体的に加速することで一致した」と述べた。先送りされてきたプーチン首相の来日は5月に実現させることで合意した。

 「独創的なアプローチ」に関連し、麻生首相は「日本が4島、向こうは(歯舞群島と色丹島の)2島では進展しない。これまでの宣言や条約を踏まえた、これまで通りのことでは(領土問題は)解決しない」と訴えた。その上で「この問題が日露のすべてにひっかかる。役人に任せるのではなく政治家が決断するより方法はない、という話の中で出た」と、日露関係構築の障害になっている領土問題の解決には両首脳の決断が必要との考えで一致したことも明らかにした。

 麻生首相は18日朝、全日空のチャーター機で羽田空港を出発。訪問は、日露両国の企業が参加する石油・ガス開発事業「サハリン2」の稼働式典への招待を受けたもので、戦後の首相では初めてとなる。

 会談ではこのほか大統領が今後の日露関係について「互恵的協力を拡大するために努力する用意がある」と言明。首相も「ロシアはアジア太平洋地域の重要なパートナーとしてとらえている。日露協力の象徴であるサハリン2が稼働するのは重要な一歩だ」と応じた。

*<日露首脳会談>要旨 [#k3632895]
2月18日21時59分配信 毎日新聞


 麻生太郎首相とロシアのメドベージェフ大統領が18日行った会談の要旨は次の通り(日本側の説明)。

 <北方領土問題>

 大統領 新たな、独創的で型にはまらないアプローチで解決を目指すよう(事務当局に)指示した。

 首相 昨年の会談後、大統領が具体的指示を出したのは問題解決に向けた強い意志の表れで、うれしく思う。これまで達成された諸合意・諸文書を基本としつつ、大統領の指示したアプローチで、帰属問題の最終的解決を目指したい。

 大統領 双方が受け入れ可能な解決を見つける作業を継続する用意がある。この問題は、世界の他の問題と同様に解決可能だ。

 両首脳 我々の世代で問題を解決し帰属問題の最終的解決となるよう追加的な指示を出すことで一致。

 <ビザなし交流中止問題>

 首相 北方四島支援事業で残念な事件が起きたが、事業は信頼醸成の観点から重要。互いに継続の意向であると確認したい。

 大統領 人道支援に感謝。友好的かつ建設的に解決するよう指示を出したい。

 <経済危機>

 首相 世界的な景気減速の中、保護主義の台頭に警戒しなければならない。

 大統領 昨年11月のワシントンでのG20(金融サミット)合意に沿って努力の用意はあるが、例外的措置もある。国際的な金融危機打開のために日本が示すイニシアチブを支持。

 <首脳交流>

 両首脳 プーチン首相の5月中の来日で一致。4月の金融サミットや7月の主要国首脳会議での首脳会談を含め政治対話の加速で一致。

  • 最終更新:2009-02-28 10:53:05

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