海左全図の峰をウ冠に歪曲している

海左全図の峰をウ冠に歪曲している

  これは、日本である教授 独島は韓国の地 のつづきです。


  保坂氏は、よほど自説に自信がないのでしょう。これは当然です。島に峯が描かれているから独島を描いたのだという珍説は、小学校高学年になれば受け入れないでしょう。

  保坂氏は、海左全図の于山島がチェクトでないことを説明するために、航空写真を用意しました。19世紀に空からチェクトを眺めることはできませんでした。19世紀の人が見ることのできなかった風景を持って来なければいけない所に、保坂珍説の醍醐味があります。

  なるほど、チェクトは平地のみで構成されているように見えます。
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  しかし、藪太郎さんのHPを見ると、チェクトは北が高く南が低くなっています。これは、鬱陵島から、海上から眺めたチェクトの姿です。
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  この予備知識を以って、保坂画像をみると、上のほうに山麓があるように見えます。
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  保坂珍説は、更に続きます。「日本学界は、2年前からこの峰の絵がウ冠であると主張します。峰をウ冠にして、この島を『宇山島』と読み、この島には峰が存しないと認識します。この絵図からは、誰も『宇山島』の漢字を抽出することはできません。日本学界の歪曲は明らかです。」旨の主張をします。
  この日本学界とは、島根県Web竹島問題研究所のことです。
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  2年前の平成19年3月に、「竹島問題に関する調査研究 最終報告書」をまとめました。この中に、「島根県立古代出雲歴史博物館所蔵の竹島関係地図」という岡宏三氏の報告があります。これを保坂氏は、次の様に扱いました。岡氏が、山麓を示す山形を絵と捉えず、ウ冠と捉えこの下に「于」の文字を読み取り、「宇」の文字を捏造し、宇山島と読み取ったというのです。
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  岡宏三氏報告の該当部分は、次のとおりです。
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  これは報告書の一部分に過ぎず、少しだけ広く報告書みれば、朝鮮八道図の説明をしていることが判ります。ここで、「同島に附属して于山島(宇山島)描くこと⑦に同じ」としており、于山島と表記されているがこれは「宇山島」意味であると説明していることから、岡氏が正式名称を「宇山島」であると認識していたことが判ります。
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  要するに、岡氏は「宇山島」を正式名称とし、保坂氏は「于山島」を正式名称と認識しているに過ぎないのです。

  ところで、保坂氏は、竹島問題研究所が2年前から保坂珍説を承知しており、それへの対抗の必要性から、海左全図の説明に「宇山島」を使用したと主張しているようです。しかし、保坂珍説を思い付く思考回路が判りませんし、出現が予想し得ない保坂珍説に対抗を取っておく必要性がありません。
  尚、竹島問題研究所はテキスト部分で「宇山島」を使用していません。
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岡氏の報告書

  • 最終更新:2009-03-12 14:40:01

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