竹島/独島 21世紀的な解決法は何か


 集会報告

  若宮啓文さんは、昨2008年11月に韓国ソウルで開かれた独島(竹島)問題についての国際シンポジウムに出席し、その報告をされたが、この島に対する韓国と日本の熱気には「100対1」ほどの差があり、韓国の主張には事実認定の前に、「正邪」の価値観があり、エモーショナルになりがちとのこと。それに対して、日本は一般的に無関心だが、韓国の反応が日本のナショナリズムをかきたてるとのこと。
  日韓両国の主張には、一長一短があり、どちらも100%の理があるわけではない。特に「固有領土」論には双方、無理があるとのこと。この島を巡る日韓の対立を一番喜ぶのは北朝鮮だとも言われていた。

 若宮さんは、解決への選択肢として、

  (1)島を爆破する。(過去に、朴正煕大統領や日本外務省の局長なども主張(冗談半分?)したことがあるとのこと。)
  (2)国際司法裁判所に委ねる。(韓国政府は反対)
 (3)静かに現状を固定。(1965年の日韓条約調印直前の佐藤・李会談で「互いに自国民
  には互いの言い分を主張することにしたとのこと。
  (4)争いを盛り上げて「不幸な歴史」や「民族対立」のシンボルにする。
  (5)平和解決によって世界に誇れる「和解」のシンボルにする。

  若宮氏の真意はもちろんこの(5)にある。この方法には二つのケースが考えられ、ケース1は、日本が主張を放棄する。代わりに漁業権や地下資源などで共同開発に合意する。韓国は日本の譲歩を得るため日本の対応を高く評価する。「負けるが勝ち」で日本は国際的に評価されることになる。ケース2は、韓国が主張を半分譲って共同領有に。日韓ワールドカップ方式。国際評価は韓国に集まる。日韓でともに「世界遺産」に申請するアイデアも披露。若宮さんのレジュメの表題には、「竹島/独島 21世紀的な解決法は何か」とあったが、若宮さんは この(5) の解決法こそ「21世紀的な解決法」だとされるのだと思う。
 

 B.若宮啓文報告「竹島/独島 21世紀的な解決法は何か」

  2008.11/17-18にソウルで開かれた「独島問題の歴史認識と国際法的正義」(主催;仁荷大学および東北アジア歴史財団)に参加した。
  会議では朝日新聞の看板を背負うことになるので参加前に出席を迷ったが、ともかくも参加した。出席者は、日本からは和田春樹、柳原正治、俵義文、若宮啓文、荒井信一らが、アメリカからはジョン・バン・ダイクが、他に中国の学者などが出席した。
  会議の開会辞で仁荷大学総長が最近の日本の動きを「独島に対する第二の侵略」と述べたので、もし「侵略」が前提の会議なら講演を止めると断ったが、そうではないとの回答なので講演を行なった。

 レジメは下記のとおり。


(1)現状の分析
  1).日韓両国の主張にはそれぞれ一長一短
    日本の「固有の領土」論には無理、明確な韓国領の認識がない。
    学者間で意見が分かれる。
  2).竹島=独島に対する韓国と日本の熱気には「100:1」ほどの差がある。
    韓国の主張には事実認定の前に「正邪」の価値観があり、エモーショナルになり
    がち。日本は無関心だが、韓国の反応が日本のナショナリズムをかきたてる。
  3).日本が島を武力で取り戻す可能性はゼロ
    自衛隊出動のシミュレーションとか軍事演習とかは挑発的にうつる。
  4).日本の教科書ノ、の記述は韓国に比べてごく控えめ
    中学の教科書に載せる際、韓国の主張も載せることになった。
    日本の基本的な立場は日韓条約の交渉でも一貫しており、
    それを教科書に書くな、中学生に教えるな、という主張には無理がある。
  5).島は実効支配している方が強い
    韓国は悠然と構えればよい。「紛争がない」というのなら、なおのことだ。
    ダイクは、50年以上の実効支配は韓国に相当有利と主張していた。
  6).この対立でいちばん喜ぶの融ヒ朝鮮だ。日韓の亀裂。自由主義陣営の亀裂。

(2)解決への選択肢
  1).島を爆破する
    過去に朴大統領ら3人の発言記録があるが、現実性はゼロ。
  2).国際司法裁判所に委ねる
   韓国が踏み切ればスッキリするが、可能性はなさそう。
  3).静かに現状を固定
     65年の調印直前の佐藤・李会談で「互いに自国民には互いの言い分を主張する」ことに。日中平和友好条約では尖閣諸島の問題で郡小平が「こういう問題は一時棚上げしても構わない、次の世代はわれわれより、もっと知恵があるだろう。みんなが受け入れられるいい解決方法を見出せるだろう」(1978.11.23 記者会見)
  4).争いを盛り上げて「不幸な歴史」や「民族対立」のシンボルに
  5).平和解決によって世界に誇れる「和解」のシンボルに

   ケース1:日本が主張を放棄する。代わりに漁業権や地下資源などで共同開発などに合意。韓国は日本の譲歩を得るため日本の対応を高く評価。「負けるが勝ち」で日本には国際的な評価も。
   ケース2:韓国が主張を半分譲って共同領有に。日韓ワールドカップ方式。国際評価は韓国に集まる。日韓でともに「世界遺産」に申請のアイデアも。

  • 最終更新:2009-02-28 11:44:29

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